「私がこんな子にしてしまったという」罪悪感

 

「こんな子どもにしてしまったのは、私のせいだ」という罪悪感

この十字架を背負っている方が本当に多いと思うので、この話しをしてみます。

Mさん。
不登校で、たくさんの生きづらさを抱えているようにみえる小学6年生の息子さんのお母さんです。

「私がこの子をこんなにしてしまったんだ!」ってわかってしまい、どうしても「私がこの子を助けなくてはいけない!」と思ってしまいます。

「この子は大丈夫なのだから」と、自分のことを大切にしていくなんてどうしてもできません。

私も、まさしくそうでした。

その「私が悪かった」という十字架を背負って、夜な夜なネットで調べて、何百万もかけて、いろんな勉強したり、食事に気をつけたり、病院にいったり、マッサージしたり、セラピーしたりしてきました。

何をしても、どんなことをしていても、娘のことが頭から離れず、心配して、心配していたんです。

「それが、私の親としての責任だ」
「こんな私が母親だから、悪いんだ」って。

その罪悪感の力って、本当に強烈で、自分の身体が悲鳴上げてフラフラでも絶対に!休んではいけなかったくらい。だって、そんなに悪い私は、休んだりしてはいけなかったのです。

だから「自分を大事にする」
そうなんど聞いても、どんなに思おうとしてもできませんでした。

でもね。それ、全く違ったんです。

僕がお母さんを苦しめている、と子どもが自分を責めている

まず、お母さんが、その十字架を背負っていると、その状態が一番つらいのは、子ども。

「こんなにも、お母さんを苦しめているのは自分なんだ」
子どもは、意識的にも無意識的にも、それがよくわかっています。

「その十字架を背負わせたのは僕だよね。」って、そうやって、そんな自分を、責めているんです。

でも、今、学校へも行けないし、身体も、心も動けない。
そんな自分が、また許せない。

「どんなにダメで価値のない自分なんだ・・」って、自分を責めて責めて、傷つけるのです。

お母さんの「私が悪い、の罪悪感」は、子どもに「僕がこんなにも悪い」をまた背負わすことになってしまうのです。

 

お母さんは自分を責めないで

そして、Mさんの今まで。

Mさんは小さい小さい時から、あのお家で、あのお父さんとお母さんとの間で、どんなに傷つきながら、どんなに我慢しながら。「それは、自分が悪いんだから」と、どんなに頑張って、頑張って、生きてきましたか?

そのMさんが、自分の子どもを一生懸命に育ててきたんだよね。

私は、言いたいのです。

 

「もう、それでいいんじゃない?」

 

確かに、どんなに一生懸命やってきたといっても、子どものことをわかってあげられなくて、間違ったことも、ヒドいことも、たくさん、たくさんしてしまったかもしれない。

私もそうです。

でも、どこを切り取ってもMさんにとっては精一杯しかなかった日々でしかなかったでしょ?

私たちって、そのときの自分の一生懸命の愛情で、子どもを育てていく。

それしか、できなくないですか??

そして、もうそれでいいんですよ。

それが全て。

こんなにつらい子育てになってしまった理由がある

こんなMさん(私たち)に誰がいいとか、悪いとか言うことができるのでしょう?

  • こんな自分がお母さんだったからだ。
  • ヒドいことをしてしまった。
  • どうしても、子どもを守らなくちゃいけない。
  • 今の状況をどうにか、してあげないといけない。
    だって、こんなに私が悪かったのだから。

今できることは、そうやって、自分を傷つけることではありません。

小さい小さいMちゃんのときから、ずっとずっと・・・。

「私が悪いから」を背負って、愛を充分に感じられず、たくさんのガマンとあきらめを抱えて。
自分を受けいれてもらえない悲しみや、どうして親がこんなことをするのかわからない怒りを絶対に!感じないようにして。
泣きたくても泣けない中を、ただただ頑張ってきた。

そんな自分を認めてあげて、わかってあげてほしいのです。
よく頑張ったね、と、自分を抱きしめてあげてほしいのです。

子どもの前に、まずはあなたのこと!
あなたが、自分の中に奥深く埋めてしまった悲しみや苦しみを。
自分の中にある、深くて大きな愛情や健気さを。

しっかりと、わかってあげてほしいのです。

自分を許してあげられた分だけ、お子さんの心が開いてくる。

不思議なのですが、大変だった自分のことをわかってあげられた分だけ、今、傷ついているお子さんに届く愛情が、あなたの中から生まれてきます。

そんな自分を許してあげられた分だけ、お子さんの心が開いてくるのです。

今から、自分と子どものためにできる、たった一つのこと

私たちはそれぞれに、小さい頃から、それぞれの大変さを抱えて生きてきました。

今、子育てがつらくて大変だということは、まだそのつらくて悲しい小さい子どもの時の世界に生きているのです。
それは、受けいれてもらえない、わかってもらえない、大事にされない、ダメで価値のない私、という世界。

そして、それは、ニセモノの自分。
勘違いの世界
なんです。

なのにまだ、その世界の住人として、そんな人間だとして生きているから、こんなにも一生懸命な子育てなのに、やればやるほど、つらい子育てになっていくのです。

だから、今まで子育てが、どんなにヒドくて、どんなことがあったとしても仕方ないし、それは、あなたが一生懸命生きてきただけ。

それだけなのです。

一番に大切なことは

自分の中から「ほんとうの自分を生きたい!」という願いが出てきて、今、まさに、それを求めて進んでいる。

そのことです。

このたった一つの一番大事なことに気づいて、今、進み始めているなら、それでいいの!!

すると、お母さんの存在そのものが変わってきます。
そのお母さんの存在が、お子さんと響きあい、愛情と本当の関係が築けるようになっていくのです。

大丈夫!
こうやって、進んでいるのは、一人じゃないから。
私と一緒に。みんなと一緒に。

自分と向きあいながら、子育てをしていきましょう。